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会社の人材育成

従業員9人以下の会社でOFF-JTを実施した割合はどのくらいですか?会社側16.2%・働く人側4.5%という2つの調査の数字を並べました

従業員9人以下の企業のうち、2023年度にOFF-JTを実施したと回答したのは16.2%です。同じ2023年度について、9人以下の会社に勤める人でOFF-JTを受講したと回答したのは4.5%でした。前者は労働政策研究・研修機構の企業調査(調査シリーズNo.257)、後者は同じ機構の労働者調査(No.258)の数字で、どちらも2025年11月に公表されています。2つの調査は厚生労働省の能力開発基本調査が対象にしていない30人未満の企業を含めて行われました。ラーニーズ人と組織ナビが2026年9月11日に両報告書で確認した数字を、企業規模別に並べて差を計算しました。

従業員9人以下の会社でOFF-JTを実施した割合はどのくらいですか?

16.2%です。労働政策研究・研修機構の企業調査には、2023年度にOFF-JTを実施したかを尋ねた結果として、9人以下の企業では16.2%にとどまると書かれています。

全体では31.6%です。同じ調査で、約3分の1の企業がOFF-JTを実施したと回答しています。

規模が大きい企業ほど実施率が高くなっています。10人から29人では30.4%、30人から99人では45.2%、100人から299人では60.5%、300人以上では76.1%です。

OFF-JTの定義も報告書に書かれています。従業員の能力開発・向上を図るため、業務命令に基づき、通常の仕事を一時的に離れて行う教育訓練・研修です。

働く人の側から見た受講率はどうなっていますか?

全体で13.7%です。労働政策研究・研修機構の労働者調査には、2023年度に会社の業務命令に基づくOFF-JTを受講したかを尋ね、13.7%が受講したと回答したと書かれています。

9人以下の会社に勤める人では4.5%です。同じ労働者調査に、10人から29人では7.8%、30人から99人では10.7%、100人から299人では13.5%、300人以上では17.1%と示されています。

2つの調査は同じ2023年度について尋ねています。企業調査は企業がOFF-JTを実施したかどうか、労働者調査は回答者本人が受講したかどうかを聞いた結果です。

企業規模企業調査:実施した企業の割合労働者調査:受講した人の割合差
9人以下16.2%4.5%11.7ポイント
10〜29人30.4%7.8%22.6ポイント
30〜99人45.2%10.7%34.5ポイント
100〜299人60.5%13.5%47.0ポイント
300人以上76.1%17.1%59.0ポイント
全体31.6%13.7%17.9ポイント

差は企業規模が大きいほど開いています。300人以上では59.0ポイント、9人以下では11.7ポイントで、ラーニーズ人と組織ナビが両報告書の数字から計算しました。

「実施した企業」は、社内の誰か1人でも対象になれば実施したことになります。会社としてOFF-JTを実施した年でも、社員一人ひとりが受けたかどうかは別に数えられている点が、2つの数字の読み方の分かれ目です。

自己啓発の支援と実施の数字はどうなっていますか?

支援した企業は29.2%、自己啓発を行った人は14.9%です。企業調査には2023年度に従業員の自己啓発に対する支援を行った企業が約3割、労働者調査には仕事に関わる自己啓発を行った人が14.9%と書かれています。

企業規模企業調査:支援を行った企業の割合労働者調査:自己啓発を行った人の割合
9人以下20.8%6.5%
10〜29人27.5%7.5%
30〜99人37.8%9.9%
100〜299人46.1%13.8%
300人以上61.1%19.4%
全体29.2%14.9%

自己啓発でも規模が大きいほど数字が高くなります。9人以下の企業の支援実施率は20.8%で、300人以上の61.1%とは40.3ポイントの開きがあります。

働く人は自己啓発で何を学んでいますか?

仕事に関連する専門的知識が最も多く49.8%です。労働者調査には、実施した自己啓発の内容として、仕事に関連する専門的知識が5割で最も割合が高いと書かれています。

資格取得に必要な知識が28.4%で続きます。AI・IT等の専門的知識は20.9%で、2020年に実施した同様の調査と比較して5ポイント上昇していると報告書に書かれています。

能力開発の方針は会社と個人のどちらが決めていますか?

企業主体が64.4%です。企業調査には、企業主体で決定しているとする企業割合が64.4%で、内訳はAである14.4%とAに近い50.0%と書かれています。

労働者個人主体は33.3%です。Bである5.0%とBに近い28.3%の合計で、企業主体の64.4%を大きく下回っています。

規模が小さいほど個人主体の割合が高くなります。企業調査には、いずれの規模でも半数以上が企業主体と回答している一方、規模の小さい企業では労働者個人主体とする割合が高くなると書かれています。

人材育成の課題として何が挙がっていますか?

指導する人材の不足が最多で33.5%です。企業調査の複数回答で、指導する人材が不足しているを挙げる企業が最も多いという結果です。

課題挙げた企業の割合
指導する人材が不足している33.5%
人材を育成しても辞めてしまう32.1%
人材育成を行う時間がない30.8%
育てがいのある人材が集まらない29.6%
特に問題はない19.3%

上位3項目は規模の大きい企業ほど回答割合が高くなっています。指導する人材が不足している、人材を育成しても辞めてしまう、人材育成を行う時間がないの3つが該当します。

小さい企業ほど「特に問題はない」が多くなります。9人以下では28.5%で、全体の19.3%を9.2ポイント上回っています。

平均年齢が高い会社ほど「特に問題はない」が増える傾向も報告されています。9人以下の企業では、従業員の平均年齢が39歳以下で23.1%、40代で26.1%、50歳以上で31.9%です。

行政への要望として多いものは何ですか?

助成金の拡充が48.0%です。企業調査には、訓練を実施する事業主への助成金の拡充を挙げる企業割合が特に高いと書かれています。

2番目は「特に要望することはない」で27.9%です。次いで在職者訓練の充実が15.3%、若年者への講習会の実施が14.1%と続きます。

9人以下では要望なしが37.0%まで上がります。企業調査には、特に要望することはないはおおむね規模の小さい企業ほど回答割合が高くなり、9人以下では4割弱と書かれています。

この2つの調査はどのような調査ですか?

労働政策研究・研修機構が厚生労働省の要請で行った調査です。両報告書には、厚生労働省人材開発統括官からの要請を受けて行ったと書かれています。

30人未満の企業を含めている点が特徴です。企業調査には、厚生労働省が実施する能力開発基本調査では調査対象となっていない小規模企業(30人未満)も対象に含め、小規模企業の状況についても把握するものとしたと書かれています。労働者調査も、30人未満の小企業に勤務する労働者を対象に含めています。

項目企業調査(No.257)労働者調査(No.258)
公表2025年11月2025年11月
調査方法郵送によるアンケート調査インターネット調査
対象従業員数5人以上の企業20,000社従業員5人以上の企業に勤める18歳〜65歳の10,000人
実施期間2024年10月15日〜11月8日2024年10月15日に配信し11月5日に回収完了
回収6,116社(30.6%)10,000人

労働者調査の回答者は正社員が73.7%です。ほかに契約社員7.2%、嘱託2.5%、パートタイマー・アルバイト16.7%という内訳が報告書に示されています。

数字を引用する時に確かめる点はどこですか?

対象年度は2023年度です。企業調査も労働者調査も、2023年度の実施状況と受講状況を尋ねています。調査そのものが行われたのは2024年10月から11月で、公表は2025年11月です。

調査方法が違う数字を並べていることも押さえておく必要があります。企業調査は郵送で回収率30.6%、労働者調査は民間調査会社の登録モニターに対するインターネット調査です。

労働者調査の回収方法にも条件があります。2021年経済センサス活動調査に基づき、業種別・企業規模別の常用雇用者数の構成比に合わせて10,000人分を回収したと報告書に書かれています。

確認した公式資料